まいどおおきに、ねやです。
今回は関西の大手私鉄、京阪グループが発行するe-kenet Visaカードというクレジットカードについて解説する。
はっきり言ってしまうが、このクレジットカードは京阪沿線民であっても大多数の人にはおすすめできない。なんなら持っていたら損をする可能性があるくらい微妙なカードだ。
僕の父はこのe-kenet Visaカードを契約している(京阪沿線民だからという理由で契約したと思われる)のだが、父の生活スタイルを見ていると確実に損をしている。
なぜe-kenet Visaカードをおすすめできないのか、僕の父は具体的にどう損しているのかをここから話していく。
e-kenet Visaカードをおすすめしない理由
個人的にe-kenet Visaカードをおすすめしない理由は下記の通り。
- ポイント還元がショボい
- ポイントの使用難易度が高い
- ポイントを京阪グループでしか利用できない
- 年5万円利用しないと年会費がかかる
- PiTaPa利用額は年会費無料条件にカウントされない
ポイント還元がショボい
まず基本のポイント還元率がクレジットカードの中では雑魚レベルの0.5%(笑)。
最近のクレジットカードのスタンダードは基本還元率1%。
楽天カードやPayPayカードはもちろんだが、ライバル会社の阪急阪神グループも還元率1%のS STACIAカードを発行するくらい、還元率1%というのが当たり前になっている。
そんな中でe-kenet Visaカードの還元率0.5%というのはあまりにもショボすぎる。
一応ボーナスポイント(笑)もあるが、年100万円使ったとしても基本還元率と合わせて還元率0.8%程度にしかならないから、還元率1%のクレジットカードの足元にも及ばない。
京阪グループ店舗であっても1.5%ポイント還元
ただ基本還元率が0.5%であっても一概にショボいというわけではない。
なぜなら特定の店舗や加盟店でポイント還元率が上がるクレジットカードがあるからだ。
有名なものだと僕が愛用している三井住友カードだろう。
基本還元率は0.5%だが、コンビニや飲食チェーンなどで7%という驚異の還元率を叩き出す。
e-kenet Visaカードにそのようなポイント還元率が上がる店舗や加盟店があるのかだが、一切存在しない。
なんと京阪グループの店舗(京阪百貨店・アンスリーなど)であっても0.5%還元。
一応クレジットカードに付いているポイントカードを京阪グループ店舗で提示すればそこでも1%のポイントが付くから、実質1.5%還元にはなる。
ただ、自社のグループ店舗で1.5%の還元しか無いのはちょっとショボいと僕は感じてしまう。
楽天カードと楽天ペイなら京阪グループ店舗に限らず、どこでも1.5%還元で利用できるから「そっちの方が良いやん…」と僕は思ってしまう。
ポイントの使用難易度が高い
仮に0.5%の還元率でせっせとポイントを貯めたとしても、e-kenet Visaカードのポイントは簡単には使えない。
まずe-kenet Visaカードで貯まるポイントには下記の2種類がある。
- 花まるクレジットポイント
- e-kenet Visaカードの利用で貯まるポイント
- 1000円利用で1ポイント貯まる
- おけいはんポイント
- ポイントカードの提示やe-kenet Visaカード付帯のPiTaPa利用で貯まるポイント
- ポイントカード提示の場合、100円で1ポイント貯まる
- PiTaPaの場合、利用額の1~10%のポイント貯まる
2種類に分かれているだけでも面倒くさいが、どちらのポイントも使用難易度が高く使用するのも面倒くさい。
花まるクレジットポイントは200ポイント貯めないと使用不可
まず花まるクレジットポイントは景品交換とおけいはんポイントへの移行という使用方法があるが、どちらも200ポイント以上貯める必要がある。
1000円で1ポイント貯まるポイントだから、200ポイント貯めるには単純計算で10万円以上のクレジットカード利用が必要となる。
メインカードにすれば問題無い話だが、サブカードとして利用する予定の人は一生使用することができずにポイントを失効させることになる人もいるだろう。
ちなみに僕の父はe-kenet Visaカードをあまり使っていないと言っていたから、おそらくちょろっと貯まったポイントを毎年のように失効させていると思う。
そのことを考えると「他社カードであれば1ポイント単位でポイントを無駄なく使えるカードもあるのに…」ともったいなく感じてしまう。
おけいはんポイントは金券への交換が必要
そしておけいはんポイントも、使用方法がまた曲者。
こちらも500ポイント貯めないと一切使用できないうえ、使用するにはおけいはんステーションという機械が置いてある施設に行き、おけいはんクーポンという金券に交換する必要がある。
つまりe-kenet Visaカードで貯めた花まるクレジットポイントは、
- 200ポイント貯めておけいはんポイントに移行
- おけいはんステーションのある施設に行く
- おけいはんクーポンに交換
- おけいはんクーポンが使える店で使用
という4ステップを踏まないとポイントを使用することができない。面倒くさすぎる。
おまけに金券を財布に入れておくことになるから、財布がスマートじゃなくなるのも個人的にはナンセンスだ。
おけいはんクーポンは京阪グループ店舗でしか使えない
極めつけは交換したおけいはんクーポンは、名前の通り京阪グループ店舗でしか使うことができない。
使える主な店舗は下記の通り。
- アンスリー
- もより市
- フレスト
- 京阪百貨店
- 京阪モール(一部店舗を除く)
使える店舗が少なすぎて実用性も無いから、ポイントを使うまでの労力に対して割に合わないと僕は思う。
年5万円利用しないと年会費がかかる
e-kenet Visaカードはこんなにもポイント面で微妙なのにもかかわらず、年会費がなんと2200円も取られる。
他社では年会費を永年無料化できるゴールドカードが出てきているこの世の中で、一般カードの分際で年会費がかかるのは微妙。
一応年5万円利用すれば年会費は無料になるが、他社よりもポイント面が微妙なカードを年5万円も利用できるだろうか?僕は無理だ。
僕の父もおそらく年5万円利用していないから、年会費というクッソ無駄な金を取られていると思う。
もったいなさすぎて涙が止まらない。
PiTaPa利用額は年会費無料条件にカウントされない
e-kenet Visaカードには付帯カードとしてPiTaPaがある。
この付帯PiTaPaで京阪電車を利用すれば最大10%のポイント還元があるから、これを目当てに利用している人もいるだろう。
ただ注意しないといけないのは、先ほどの年会費無料条件の年5万円利用に、PiTaPaの利用額はカウントされない。
過去にはPiTaPa利用額もカウントされていた時代もあったらしいが、現在では一切カウントされない。大昔にPiTaPa目的で契約してそのまま使い続けている人も、一度年会費が取られていないかチェックすることをおすすめする。
PiTaPaは利用しないと維持管理料が取られる
そしてもう1つ注意しないといけないのはPiTaPaの維持管理料。
年1回以上PiTaPaカードを利用しないと、維持管理料というクッソ無駄な金を1100円取られる。
生活スタイルの変化などでPiTaPaを利用しなくなったのなら、速攻解約しよう。
ちなみに僕の父も生活スタイルの変化でPiTaPaを利用しなくなったから、おそらく維持手数料も取られている。
年会費と合わせて3300円…マジで涙が止まらん。
e-kenet Visaカードの良いところ
ここまでe-kenet Visaカードのネガティブキャンペーンを開催した。
ただこんなe-kenet Visaカードにも1つだけ良い点はある。
京阪電車が最大10%ポイント還元
それは京阪電車の利用で最大10%のポイント還元が得られること。
e-kenet Visaカード付帯のPiTaPaカードで京阪の区間指定割引に登録し、その登録した区間を利用したら利用額の10%のおけいはんポイントが貰える。
区間指定割引で登録しない場合や登録した区間以外の利用、大津線の利用は1%還元となる。
区間指定割引は定期券の代替となる割引制度だから、通勤や通学で京阪電車を利用する人には恩恵が大きい。
ただしこのメリットも本当に悪あがき程度。
先ほども言った通り、PiTaPaの利用額は年会費無料の条件にカウントされない。
だから別途年5万円以上ショッピング利用するか、年会費を受け入れるかの2択を迫られる。
あとポイントも京阪グループ店舗でしか使えないから、いくら京阪が10%還元で利用できるとは言っても個人的にはあまりおすすめしない。
【結論】京阪沿線民でも大多数の人にはおすすめできない
今回はe-kenet Visaカードを解説したが、いかがだっただろうか?
みなさん色々な意見があると思うが、僕の結論としては
京阪電車を通勤通学利用し、京阪グループ店舗で日常的に買い物をする人以外は持つべきではない
基本還元率が0.5%と低いだけでなく、ポイントが京阪グループ店舗でしか利用できない。
そのうえ年5万円利用しないと年会費を取られる。
だけど京阪電車の利用で10%のポイント還元があるというメリットもあるという理由で、このような結論に至った。
他のクレジットカードでも同じだが、「京阪沿線民だからとりあえず京阪が発行するクレジットカードを持っておくか」的なノリで脳死で契約せず、本当にお得になるのかを吟味した上で契約するか判断しよう。
昔契約した人もこの記事をきっかけに、生活スタイルの変化などで損をするようになっていないかをチェックしたほうが良いだろう。
僕も父にe-kenet Visaカードの解約を促し続けようと思う。
e-kenet Visaカードは京阪グループ自社発行
ここからは余談になるが、この記事を書くために色々調べていたら、e-kenet Visaカードは京阪グループが自社で発行しているということを知って驚いた。
なぜなら鉄道会社が自社でクレジットカードを発行しているところはほとんど無いからだ。
京阪以外だとJR東日本のビューカードくらいだ。
他の関西私鉄はもちろん、大半の鉄道会社は大手のクレジットカードに業務委託をしている。
京阪は鉄道事業も経営が厳しいらしいが、沿線民として鉄道事業、クレジットカード事業どちらも頑張ってほしいなとは思う。(まあ今のカードスペックでは契約しようとは1ミリも思わんが)