まいどおおきに、ねやです。
以前、京阪が発行するクレジットカード「e-kenet Visaカード」を解説し、ボロクソに酷評した。
しかし先日、このカードの後継となる「e-kenet JCBカード」が新たに発表され、カードの仕様がかなり変化した。

ということで今回はこの新しい「e-kenet JCBカード」はお得なクレジットカードなのかを解説する。
e-kenet JCBカードの申し込みを検討している方やVisaカードからの切り替えを検討している方、また新生活で京阪電車を利用する人はぜひ参考にしてほしい。
なおこの記事は僕の個人的な主観が多く含まれている。
可能な限り中立的に執筆するように気を付けてはいるが、偏った考えが含まれている可能性もあるからその点を理解したうえで読んでほしい。
また2025年4月現在の情報で執筆している。
クレジットカードの情報は変化することが多いから、申し込みをされる際は必ずご自身で最新情報を確認してほしい。
【結論】京阪定期利用者は高還元だがポイントが…

いきなり結論を申し上げると、
京阪電車を定期利用する人はポイントが沢山貯まるが、おけいはんポイントが一番の弱み
というのが僕の考えだ。
なぜおけいはんポイントが一番の弱みだと考えるのかはこの先で詳しく解説する。
e-kenet JCBカードのスペック

まずはe-kenet JCBカードのスペックを、従来のe-kenet Visaカードと比較しながら紹介する。
e-kenet JCBカード | e-kenet Visaカード(入会受付終了) | |
---|---|---|
国際ブランド | JCB | VISA |
年会費 | 1375円 | 2200円 |
年会費無料条件 | 年1回利用(PiTaPa・ETCを除く) | 年5万円利用(PiTaPa・ETCを除く) |
基本還元率 | 0.5% | 0.5% |
貯まるポイント | おけいはんポイント | 花まるクレジットポイント おけいはんポイント |
タッチ決済 | 対応 | 非対応 |
Apple Pay ・ Google Pay | 対応(タッチ決済・QUICPay) | 非対応 |
国際ブランドがJCBに

1番の変化点はやはり国際ブランドとカードデザインだろう。
今までは京阪が自社で発行するVISAブランドのカードであったが、新しいe-kenetカードはJCBとの提携となった。
それに伴いカードデザインも現代的な表面にカード番号が無いデザインに変化。
京阪のロゴが大きくあしらわれ、京阪のクレジットカードだと分かりやすいデザインになっている。
年会費が実質無料に

JCBとの提携になったことで、年会費が改善。
いままでのVisaカードは、PiTaPaやETCの利用分を除いて年間に5万円以上ショッピング利用をしないと年会費が2200円取られる中々厳しいカードだった。
しかし新しいJCBカードは年に1回のショッピング利用で年会費が無料になる。
金額は問われないからコンスタントにカードを利用すれば年会費は実質無料。
モバイルSuicaへの1円チャージでも、コンビニで3円の袋を買うだけでも年会費は無料だ。
PiTaPa維持管理料に注意

ただし付帯カードの「京阪マイレージPiTaPaカード」を発行する場合は要注意。
こちらも最低年1回利用しないと、維持管理料が1100円も取られる。
発行直後は問題ないと思うが、数年後生活スタイルの変化などでPiTaPaを利用しなくなる可能性は十分ある。
そうなったときに知らぬ間に維持管理料が取られぬよう、このPiTaPa維持管理料の存在は理解しておこう。
タッチ決済、QUICPayに対応

また、いままでのVisaカードはタッチ決済非対応と時代遅れ感が否めなかったが、JCBとなりついにタッチ決済に対応。
さらにApple PayとGoogle Payにも対応したから、スマートフォンでもタッチ決済、QUICPayが利用可能だ。
ポイントシステムが改善

そしてポイントシステムにもテコ入れが入った。
いままでのVisaカードは花まるクレジットポイントが貯まり、それをおけいはんポイントに交換するという手間がかかっていた。
JCBはおけいはんポイントが直接貯まる仕様に変わったため、ポイントはかなり使いやすくなった。
e-kenet Visaカードと比較して堅実に進化したが…

- 年会費実質無料化
- タッチ決済対応
- ポイントシステム改善
これらからe-kenet JCBカードは、従来のe-kenet Visaカードと比較して堅実に進化したなというのが僕の印象だ。
強みも弱みもVisa時代と大きく変わらず

堅実に進化したということは、悪く言えばe-kenet JCBカードには目新しさはほとんど無い。
良くも悪くもe-kenet Visaカードの特徴を引き継いでしまったように感じた。僕は。
京阪電車定期利用の還元率は最強

まずe-kenet Visaカード最強の強みである京阪電車の乗車時に最大11%還元は、e-kenet JCBカードにももちろん引き継がれている。
11%還元の内訳としては、
- 付帯カード「京阪マイレージPiTaPaカード」で京阪電車に乗車で1%還元
- 上記PiTaPaで区間指定割引に登録した区間内の乗車は+10%還元(大津線は対象外)
の合計。
PiTaPaの区間指定割引は定期利用者向けの割引サービス。
登録時に1ヶ月の上限運賃が設定され、登録した区間内の利用であれば上限運賃以上は請求されなくなる。
よく乗車する月も、あまり乗車しない月もお得になるという、定期券には無い強みのある割引サービスだ。
京阪電車の決まった区間を定期的に利用する人にとっては、この還元率は魅力的に感じるのではないだろうか?
ショッピング利用時の還元率の低さは相変わらず

PiTaPaでの京阪電車乗車時の還元率は最大11%と最強である一方、クレジットカードをショッピング利用したときの還元率はVisa時代から変わらず0.5%。
おけいはんポイント加盟店での還元率も、ポイントカード提示分と合わせても引き続き最大1.5%だ。
近年は楽天ペイ、J-WESTカード×モバイルICOCA、V NEOBANKデビットなど、常時1.5%還元の決済サービスも増えてきているから、自社関連の加盟店でこの還元率の低さはどうなのかなと思う。僕は。
Apple PayとGoogle Payにも対応したが…

おけいはんポイント加盟店でのポイント還元でこれは注意点となるが、ポイントカード提示分のポイントを得るには物理カードでの決済が必須となる。
さきほどApple PayとGoogle Payに対応したと紹介したが、おけいはんポイント加盟店でこれらで支払うとポイントカード提示分のポイントは付与されない。(タッチ決済、QUICPayどちらも)
ポイントカードはモバイル対応なのに、決済で結局カードを出さないといけないのは迷惑な仕様だ。
おけいはんポイントが一番の弱み

そしてe-kenetカードの一番の特徴であり、一番の弱点であるのが貯まるポイントがおけいはんポイントということだ。
おけいはんポイント加盟店やプレミアムカーを利用しない人はポイントの出口戦略に困る

このおけいはんポイントが利用できるのはおけいはんポイント加盟店とプレミアムカークラブだけ。
クレジットカードの支払に充当したり、他社ポイントへ交換したりといった利用はできない。
もちろんこれらを日常的に利用する人にとっては問題無いかもしれないが、利用しない人からしたらポイントの出口に困ることになる。
一昔前と比較すると使いやすくはなった
とは言いつつもおけいはんポイントも進化して使いやすくなっている。
一昔前は500ポイント貯めてクーポンに交換しないとお買い物でポイントを利用できないという、江戸時代レベルの時代遅れシステムであった。
しかし現在は1ポイント単位で加盟店でポイントを利用できるようになっている。
まだ対応していない加盟店もあるが、今後対応していくと思われるから使いにくさは改善されていくだろう。
ゴールドカード、e-kenetプレミアムは無き者と考えてOK

ここまでe-kenet JCBカードを解説する中でゴールドカードについて一切触れてこなかったが、その理由は選ぶ価値があまり無いからだ。
年会費が15000円するが還元率は一般カードと同じ。
一応ゴールド優待は沢山あるが、内容は年会費11000円のプロパーカードのJCBゴールドとほとんど同一。
これらの優待目的なら、上位カードへの招待の可能性もあり年会費の安いJCBゴールドを申し込むのがおすすめだ。
e-kenetプレミアムは毎年追加課金することでショッピング利用の還元率を上げることができるサービスだが、これは絶対いらない。
年6600円課金しても還元率は1.3%にしかならないうえ、元を取るにはスペシャルコースで年44万円、ロイヤルコースで年82.5万円の決済が必要という完全な情弱ビジネス。
還元率を上げたいなら、大人しく楽天カードやリクルートカードなどの年会費無料で高還元なクレジットカードを利用したほうが幸せになれるだろう。
【結論】京阪電車定期利用者かつ、おけいはんポイントを上手に活用できる人にはおすすめ

以上e-kenet JCBカードについて一通り解説してきたがいかがだっただろうか?
ここまで解説した内容をまとめると、
- e-kenet Visaカードと比較してカードスペックが向上
- 年会費が年1回のショッピング利用で無料に
- タッチ決済、Apple PayやGoogle Payに対応
- ポイントシステムが改善
- 付帯PiTaPaカードでの京阪電車の利用で最大11%還元
- 基本の1%還元
- 区間指定割引に登録した区間内は+10%還元
- ショッピング利用時の還元率は低い
- 基本還元率0.5%
- おけいはんポイント加盟店でも最大1.5%還元
- 貯まるポイントがおけいはんポイント
- おけいはんポイント加盟店とプレミアムカークラブでしか利用できない
- これらを利用しない人はポイントの出口に困ることになる
これらからe-kenet JCBカードは
- 京阪電車11%還元の恩恵を最大限に得られる京阪電車定期利用者
- おけいはんポイントをおけいはんポイント加盟店やプレミアムカークラブで上手に活用できる人
この2つ両方に当てはまる人にはおすすめできる。
京阪電車を定期利用しないとあまりポイントが貯まらない

一方でこの2つに当てはまらない人は、e-kenet JCBカードの恩恵を享受することが難しいからおすすめすることはできない。
まず京阪電車を区間指定割引に登録するほど定期利用しない人は、京阪電車乗車時の還元率が1%になる。
1%でも貰えたほうが良いと考える方がいるかもしれないが、このあと紹介するクレジットカードなら1.5%還元で京阪電車に乗車できる。
貯まるポイントもおけいはんポイントより使いやすいから、最後まで読んでいただけるとありがたい。
おけいはんポイントを活用できないと高還元も無意味

これは当然の話だが、貯まるポイントを上手く活用できないのであればいくら高還元であっても意味が無くなる。
したがって、おけいはんポイントをポイント加盟店やプレミアムカークラブで活用できる自信の無い方は、他の高還元なクレジットカードを選んだほうが良いだろう。
【PR】京阪電車を定期利用しない方にはJ-WESTカードがおすすめ

もしあなたが京阪電車を区間指定割引に登録するほど利用しないのであれば、「J-WESTカード」がとてもおすすめだ。
ここからはJ-WESTカードの魅力を簡単に解説する。
モバイルICOCAへのチャージで1.5%還元

まずJ-WESTカード最大の魅力が、モバイルICOCAやApple PayのICOCAへのチャージで1.5%のポイント還元を得られることだ。
チャージでポイント還元ということで、ICOCAが利用可能なところではどこでも1.5%還元を得ることが可能。
電車やバスはもちろん、交通系ICカードが利用可能なコンビニやスーパーなどの店舗も1.5%還元だ。
e-kenet JCBカードでは1.5%還元が得られる店舗がおけいはんポイント加盟店に限られてしまうが、J-WESTカードであればそれ以外の店舗、公共交通機関でも同じ還元率を得られるのは魅力的だ。
貯まったポイントはICOCAのチャージへ充当可能

そしてJ-WESTカードとICOCAを利用することで貯まる「WESTERポイント」も、おけいはんポイントより圧倒的に使いやすい。
なんと1ポイント単位でモバイルICOCAにチャージすることができる。もちろん1ポイント=残高1円の等価交換だ。
ICOCAであれば全国多くの店舗や公共交通機関利用できるから、ポイントの使い道に困ることもほどんど無い。
新幹線や特急列車にお得に乗ることもできる

さらにWESTERポイントの使い道はこれだけでは無い。
ポイントを貯めれば、山陽新幹線やJR西日本の特急列車にお得に乗ることもできる。
全額WESTERポイント利用なら、なんと実質半額。
1ポイントの価値が2円に化ける可能性もあるということだ。
「そんなにポイントを貯められない…」というあなたでも大丈夫。
WESTERポイント利用で無くとも、JR西日本の列車予約サービス「e5489」にはJ-WESTカード会員限定のお得な料金が設定されていたり、J-WESTカードでの決済で最大5%還元だったりする。
だからポイントが貯まっていない場合でも、J-WESTカードに入会すればお得にJR西日本の列車に乗車することができる。
紹介リンクからの申し込みで+1000ポイント

さらにJ-WESTカードには紹介キャンペーンがあり、紹介リンクから申し込むだけでWESTERポイントが1000ポイント貰える。
1000ポイントあれば、
- ICOCAで1000円分のお買い物や交通利用
- 山陽新幹線や特急列車の料金へ充当してお得に乗車(200~500ポイント)
- 山陽新幹線や特急列車のグリーン車への座席のアップグレード(500~1000ポイント)
といったことが可能。
たった1000ポイントでも利用の幅はかなり広いから、J-WESTカードを申し込むのであればぜひ下記の紹介リンクを利用してほしい。
P.S.下記リンクから申し込んでいただけると僕にも2000ポイントが入りますので、利用していただけると嬉しいです。
e-kenet VisaカードのXデーは9/30

最後にe-kenet Visaカードの会員に向けて注意喚起だが、このカードは2025年の9月30日にサービスが完全に終了となる。
10月1日からはクレジットカードでの決済はもちろん、ETCやPiTaPaといった付帯カードも一切利用できなくなる。
サービス終了が近づくとサポートセンター等が混み合う可能性があるから、e-kenet Visaカードをお持ちの方は急ぎe-kenet JCBカードへの切り替えか解約を行ってほしい。
特にETCカードは料金所のゲートが開かなくなって危険だし、PiTaPaカードも改札で止められて後ろの人に迷惑をかけることになるから気を付けよう。